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中国がチベット人遊牧民に実刑判決 WeChatにチベット関連コンテンツをシェア

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2021年3月20日
インド、ヒマーチャル・プラデーシュ州ダラムサラ

WeChatでチベット関連情報をシェアしたことで懲役1年の実刑判決を受けた51歳のタシ・ ギャル氏。法廷での様子。(写真:wqw2010.blogpost.comより)

伝統的にチベット人が居住するアムド地方のゴロク州中間裁判所(Golog Prefecture Intermediate Court)は、チベット人遊牧民に対して、「分離主義を扇動」し「国家の安全を脅かし」た罪で懲役1年の判決を下した。

中国のウェブサイト、ライツディフェンダーズ(Rights Defenders)によると、タシ・ギャル氏は、2015年にダライ・ラマ法王および中央チベット政権のロブサン・センゲ主席大臣などのチベット関連情報をWeChatでシェアしたとして、2020年5月30日に逮捕された。

2014年5月と10月、タシ・ギャル氏はダライ・ラマ法王の写真を4枚WeChatに投稿し友人らにシェアした。その後2015年1月1日には、ダライ・ラマ法王とロブサン・センゲ主席大臣の写真を投稿しシェアした。チベットのロサル(チベット暦のお正月)期間中であった2015年3月1日には、SNSにチベット国旗の写真を投稿し、ダライ・ラマ法王のチベット帰還およびチベットの独立を訴えた。この投稿には多くの「いいね!」やコメントが集まった。 そして2015年11月、WeChatでダライ・ラマ法王とロブサン・センゲ主席大臣の動画をシェアした。

その結果、2020年5月16日、地元当局がタシ・ギャル氏を15日間にわたって勾留し取り調べを行ったと、ライツディフェンダーズが報道した。中国当局は彼の行為を違法とし、「国家を分裂」させ「国家の安全を脅かし」たと判断した。

6月12日、同氏は逮捕・拘留された。 2020年10月13日、ゴログ州中間裁判所は、タシ・ギャル氏に2021年5月30日までの懲役1年の判決を下した。

政治犯で起訴された大多数のチベット人同様、中国当局は裁判を非公開でかつ親族や友人に周知せずに行った。

この51歳のタシ・ギャル氏の拘留のニュースは、逮捕から10ヶ月後になってようやく外部に報道された。中国当局は、裁判終了時に同氏の携帯電話も没収していた。

タシ・ギャル氏:1970年5月24日に生まれる。ゴロク(中国語:果洛)チベット自治州のマチェン郡出身。


(翻訳:ソナムラモ)